2013年10月25日金曜日

【書評】ほんとうに使える論理思考の技術 木田知廣 



■苦手な論理思考

論理思考というとピアノの調律師の数を推測するフェルミ推量を思いつくが、とんと仕事の場でそういう思考を行った試しがない。あったとしても、○○だからダメだろうなという。結論ありきの推測ばかり。
また、俺は論理思考が得意だというヤカラにろくなのが居なかったのも、論理思考という言葉を遠ざける原因となった。今ある数字をとっかえひっかえしたところで、現状が良くなるはずもない。
それを賢しらぶって「○○の改善さえできれば」という。
売上げが上がれば利益が出るという根本の話を遠まわしにされてもしらけるだけであった。

「その根拠は」

ことあるごとに言われるとうんざり。要は論理の破綻を探ろうとするひとことでしかなく、構築するより崩す方が簡単だから、意見の芽を摘んで自分の相対的立場を上げようとする。そういうヤカラにばかり会うと、論理思考を振りかざすヤカラをメンドクサイと思うのである。


■読みやすさ重視

論理思考系の中では非常に読みやすい。どこかで聞いたことのある人物が物語に登場するので、話がスムーズに理解できる。「論理思考を鍛えて核心に迫れ」というものと違い、実際の仕事の現場での活用を想定しやすい内容となっている。その分、論理思考の解説に関しては入門書程度のものとなっているので、本書から専門的なものを読み進めるのが良いでしょう。


■でも結局は数をこなすことが必要なんでしょうね。

こういう系の本を読んでしまうのは、ゲームの攻略本的な「解決に繋がる答え」が書いてあると思ってしまうからなんでしょうね。与えられるのはあくまでも道具。頭では理解できても、魔法の道具があるのではと思ってしまうのですよね。そして、ビジネス書、啓蒙本の旅がまた始まるのです。


いきなり、ハードルの高い計算を求められたりしないので、論理思考の初級編としてはオススメです。













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