2013年6月28日金曜日

【書評】パチンコオカルト信者につけるクスリ POKKA吉田



オカルトから目覚める気付け薬ではなかった。

期待していたのは、オカルトを信じていたことが恥ずかしくなるような強烈な内容であった。
しかしながら、書かれていたのは「オカルトとの正しい付き合い方」であった。

肩透かし感は否めない。

オカルト否定派というよりは
「自分の行為がオカルトだと分かった上で、オカルトを楽しむ分には問題ない。」
その距離感を伝えてくる本であった。

初めてぱちんこを打った時、それは何が起こるかわからないブラックボックスで
あった。だからこその楽しさがあった。

仕組みを知りしかけを知るとわくわくは減少した。
わくわくは減ったが冷静にぱちんこと向き合えるようになった。

簡単に言うと、何か起こるかもしれないと思うからお金をどんどん使おうとするのであって、何か起こる確率が感覚的にわかるようになると、これ以上は無駄というのがわかりほどほどの痛手できりあげることができるようになるのである。



ぱちんこを提供する側でも当たり前に、信じられているオカルト。

パチスロの話ではあるが、設定打ち替えのタイミングとか、波を読むとか優良店の管理者でも平気でいうことに最初驚いた。当時はサブ基板の制御のないAタイプが主流であったが「出る波だから、ここで打ち替える。」と自信満々な姿を覚えている。

経験則だから間違いないと言い張る。完全確率なので実際はそんなことのないオカルトを。

サブ基板が登場すると、オカルトがオカルトでは無くなる部分が登場する。
「設定を打ち替えたら当たりやすい」はオカルトではなく事実となる。
サブ基板が高確率状態を作り出すため、当たりやすいゾーンを作り出している機種が存在しているのである。その為「打ち替え後に当たりやすい機種」のも事実となる。

本書で触れられているホット基板などは、まことしやかに現場でも語られており、オカルト、オカルトのような本当の話などに常日頃から塗れているのである。


オカルトの罠。

ありもしないオカルトを信じるというのは、
あやしい攻略法詐欺に引っかかるのと根っこは同じ。

ふつうに考えたらありえないことを
もしかしたらと思ってしまうのが、詐欺に引っかかるポイントとなる。


オカルトを事実のように語る人ほど面倒なものはない。
自分のオカルトは正しい、なのに負けた、きっと店が不正をしているに違いない。

平気でアホな論理を組み立ててしまう。

「自分の引き弱を棚上げしていては、勝てるようになりませんよ。」


でもオカルトは楽しい

オカルト否定派の著者もオカルトを楽しんでいる。正直、私もオカルトで楽しむ派だ。所詮機械が判定することと無表情で打っても楽しくない。一喜一憂するために「こういうときは、こう打つ」、「こういうときは深追いしない」などの『根拠の無いマイルール』として楽しむ程度が良い。

自分の中で「ほらね!」とオカルトが当たったてほくそ笑めば良いのである。


オカルトを過信しすぎる方にぜひ読んで欲しい一冊ではあるが
そういう人は読まないんだろうなぁ・・・。


※本書が777円というのも狙ったんでしょうか?















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